アトピー性皮膚炎と住環境
私たちはおそうじの専門家です。医師ではありません。
でも、"住まいの環境"がお肌に影響するなら——
私たちにも、できることがあるかもしれない。
そう考えて、大学の研究機関と一緒に調べてみました。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、
以下の3つが治療の基本とされています。
医師の処方に基づく
適切な薬の使用
保湿を中心とした
毎日のお肌のケア
ダニ・ホコリなど
住環境の整備
3つ目の「住環境の整備」が、私たちの専門分野と重なる領域です。
ハウスダストとは、1mm以下の肉眼では見えにくいホコリの総称です。
ダニの死骸やフン、カビの胞子、花粉、繊維くずなどが含まれます。
掃除機をかけると、排気による気流でハウスダストが空気中に舞い上がります。0.001mmの微細なホコリは、1m落下するのに約9時間かかります(ダスキン調べ)。
ハイハイをしたり、床に座って遊ぶ小さなお子さまは、大人よりも床に近い位置で呼吸をしています。舞い上がったホコリが沈降する高さと重なるため、より多くのハウスダストを吸い込みやすい環境にあります。
人の動きが止まる夜間や外出中に、ホコリは床に沈降します。「朝起きてすぐ」や「帰宅後すぐ」に、ホコリを舞い上げない方法でおそうじすることが効果的です。
アトピー性皮膚炎でつらい思いをされているご家庭の力になりたい。その思いから、私たちは大学の研究機関と共同で、「日常のおそうじが、アトピー症状にどのような影響を与えるのか」を調査しました。
| 共同研究 | 三重大学医学部 |
|---|---|
| 対象 | 成人の軽症〜中等症アトピー性皮膚炎の方 |
| 期間 | 2月〜5月(12週間) |
| 方法 | 掃除機のみで清掃するグループと、ダスキンフロアモップを併用するグループに分け、皮膚症状と血液検査値の変化を比較 |
| 掲載誌 | 応用薬理 108巻 1/2号 43-49(2025年) |
12週間の観察期間を経て、以下のような結果が得られました。
フロアモップ併用群では、12週間後に前腕内側の皮膚症状(浮腫・丘疹)について、統計的に有意な改善が認められました。
アトピー性皮膚炎の重症度指標である血清TARC値にも、有意な改善が見られました。